我,早稲田


いつかは訪れようと、三十三年が経過した。

山手線で高田馬場駅下車。

発車コールは手塚治虫の鉄腕アトム(当時はどうであったか?)ロータリーには「早大正門行」のバス。

前払い制は当時のままだ。

このシートに腰を下ろすと、早稲田マンとしての血が騒ぐ。後方に流れる車窓からの風景は一方は当時のままであり、一方では見知らぬ世界を私に見せている。十五分間の心地よい揺れ。この角を左折すれば正門前だ。

 

晴れ渡った空に大隅講堂の時計台がそびえ立つ。何度も見たはずのその塔は今日も私の前に威風堂々と鎮座する。美しい。

学生時代一度も入園したことがない大隅庭園を巡る。洒落たカフェもある。正門に立つと、両側に当時の学舎が並ぶ。イチョウ並木を進み、早稲田の中心大隈重信先生の銅像前に立つ。

ここに確かに私の十代後半から二十代前半の人生があった。

そしてきっと今もある。

多くの校舎は、当時の面影を残しながらも近代的なビル群となっていた。しかし、間違いなくこの地には「進取の精神」「早稲田スピリッツ」が存在する。

あの日からもう三十年以上も・・・。

来れて良かった。来れて良かった。

私はやはり、何年経っても一人の早稲田マンだ。早稲田を愛する一人の男だ。また必ず帰って来ます。その時も早稲田よ、笑っておくれ。

最後に今回、この機会を下さった方に心からお礼を申し上げます。

ありがとう。